第6回 :椅子取りゲームは死のバトル?
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副会長:川合 弘毅 |
平成14年2月20日,坂口厚生労働大臣から中央社会保険医療協議会星野会長に平成14年度診療報酬改定の諮問書が提示(俗にいう白本)された。今回の改定は診療報酬本体の引き下げ1.3%、薬価等1.4%で合計2.7%のダウンである。従来は、薬価等のダウン分はそれなりに診療報酬に振り戻されてきた。今回はこの操作もされないダブルパンチの状況にある。
。昭和36年に国民皆保険制度が開始されて初めての現象である。因みに2月22日時点、自院の粗の試算では、入院部門で1.47%、外来部門で2.94%のマイナス改定影響度であった。病院全体では1.85%のマイナスとなる。(表)これは年間ベースで、6,600万円の収益減である。来年の今日、自分自身が存在するのか疑わしい状況となった。
その他の病床120万床のうち、20万床弱が介護保険に移行しつつある。残り100万床強のうち、50〜60万床が一般病床であるらしい。一般病床と療養病床の法的分離の期限は平成15年8月31日までである会員各位は準備万端おさおさ怠りないか自問自答の日々だろうことを推測する。一部の意見によると医療保険の病床(一般病床と医療保険型療養病床)は60万床弱と予測されている。その他の病床の30〜40万床は座る椅子がないことになる。
座る椅子のないその他の病床はどうしろと言うのだろう?死ねというのか?いよいよ椅子取りゲームの音楽のテンポが速くなりだした。この音楽は5年続くのか、10年か、はたまた2025年まで続くバトルか?荒くれ大男の群れに交じって椅子取りゲームしている小男や女・子供の悲哀は理解されているのか?国公立病院等の一般会計や他会計から繰り入れられて、なおかつ、赤字をかいている税立病院を大男の群れと表現しているのである。税なし病院の日赤・済生会等は小男で、女・子供は税あり病院の我々である。
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平成14年度診療報酬改定影響度(若草第一病院)
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入院 |
外来 |
総合評価 |
1日平均単価 |
H14.1 実績 |
37,115 |
8,201 |
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改定シュミレーション |
36,570 |
7,960 |
増減単価(円) |
▲545 |
▲241 |
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実績比 |
98.53% |
97.06% |
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増減金額 |
▲3,214,550 |
▲2,283,620 |
▲5,498,170 |
改定影響度 |
▲1.47% |
▲2.94% |
▲1.85% |
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---大阪府私立病院ニュースより--- |
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